借地権価格の計算方法

なぜ「借地権の売買」が発生するのか

借地契約を締結することによって借地権という「権利」が生まれることは当然のことですが、その時点では権利自体に「価格」はありません。しかし実際には、借地権を別の第三者に売却するという事例は多く存在します。そしてその際に、借地権には売買に対する価格が設定されます。

 

借地権に関係なく、何らかの物が売買によって流通するということは、その物を「買いたい」と思っている人、つまり「買い手」がいなければ成り立ちません。さらに、買い手が存在するということは、その買い手にとってその物を買うことは主として経済的なメリットがあるということを意味します。

 

借地権において、第三者が借地権を購入する経済的なメリットとしては「土地の購入より安い価格で土地を利用することができる」ことと「将来的に底地を購入できる可能性がある」こと、そして「地代が安い」ことなどが挙げられます。

 

これらのメリットに基づき、「借地権を購入したい」と考える人がいるため、借地権の売買が発生するのです。

 

借地権は「借り得」である

では、借地権が売買される場合、その価格の設定は何を基準に定められるのでしょうか?

 

これは、借地契約における「地代」を元に算出が行われています。

 

借地権は明治や大正、新しいものでも昭和時代に契約が締結されているものが多く、地代は「契約当時の情勢」の影響を受けています。そのため、その後経済が上昇した現代で考えてみると、破格の料金設定がなされていることが多いのです。

 

つまり、借地権が「本来持つ価値」に比べ、実際の地代が下回っているということになります。この、本来の価値と実際の地代の差を考えると、借地権は単純に利益面だけで見れば「借りている方が得」だと言えます。つまり、借地権は「借り得」なのです。

 

そして、この「本来の土地の価値」と「実際の地代」差額が、売買が行われる際の「借地権の価格」の源泉となっているのです。

 

また、借地契約の場合、地代を値上げすることも非常に難しく、もし認められたとしても値上げ額は少額になることがほとんどです。これは、地代は毎月の生活に関わる費用のため、地価が上昇しても借地権者の所得が上昇しなければ値上げには値しないという、借地借家法による借地権者の保護の考え方の影響を受けています。

 

そのため、今後も地代が借地権の持つ本来の価値に届くことは考えにくく、その契約が継続される限り借地権の「借り得」は続くと考えられているのです。

 

借地権の価格の計算方法

借地権の価格は、借地契約における「借り得」に値する部分を集めた金額が元になって計算がなされます。厳密には、「年額正常実質賃料(=本来の土地の価値)」から「実際支払賃料」を差し引き、その価格を還元利回りで割り戻して算出します。この計算方法を「賃料差額還元法」と言います。

 

なお、本来の土地の価値は「現時点で新規に借地契約を締結した場合の地代」ということを意味しています。しかし実際には、現代における新規の借地契約は数が少ないため、更地価格を元にその価値を計算することから始めなくてはなりません。

 

さらに、権利金等の一時金の授受なども踏まえて計算を行う必要があり、借地権の価格を自分で計算することは非常に困難です。

 

不動産の価格に関する鑑定は「不動産鑑定士」という専門家が存在しますので、具体的な価格が知りたい場合には不動産鑑定士に相談することをお勧めします。

 

借地権割合が「60%」はあくまで最頻値

一般的に、既成市街地の住宅地の借地権価格は、その更地価格の60%〜70%と言われることが多いですが、これは賃料差額還元法を経て複数の借地権価格を割り出した際の統計や実際の取引の分析から導き出された、中央値とされています。

 

実際には、借地契約ごとに地代は異なるため、更地に対する借地権割合も契約ごとに異なります。さらに、実際に取引の対象となる部分も異なるため、自分の有している借地権の本当の価格を知りたい場合には、専門家に依頼して評価の鑑定を行う以外に方法はありません。

 

借地権を売買する際などに、なんの根拠もなく最頻値である60%を基準に計算すれば、損をしてしまう可能性もあるので注意しましょう。

 

特に、本来の地価の高い商業地域では特にこの「借り得」の幅が大きく、借地権の割合が更地価格の80%を超えるような例もあるようです。

 

定期借地権は借り得分がほとんどない

これまでの例は、借地借家法でいう「普通借地権」には適用されますが、「定期借地権」についてはその限りではありません。定期借地権は平成4(1992年)8月に借地借家法で施行された言わば「新規に借地契約を締結した」ものです。

 

そのため、地代の価格設定も比較的適正に行われており、権利金の授受があまりないことも合わせ、「借り得」がほとんど発生しません。「借り得」がほとんど発生せず、定められた期間を持って満了することもあって、ある程度期間が経過した定期借地権は、売買されにくいのが現状です。

 

 

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