個人が借地権を売却した際の所得税

借地権売却による所得は「不動産所得」と「譲渡所得」に分けられる

(※ 税率について、2019年4月1日現在法令等)

所得税は個人の利益に対して課税がなされますが、その所得の種類によって税率は異なります。

 

借地権によって得る所得は基本的に「不動産」による所得(=不動産所得)という扱いになりますが、借地権を売却した場合には「資産を譲渡した」ことによって得る所得(=譲渡所得)とも捉えられます。

 

そのため、借地権を売却した場合は、「権利金として収受した額」を判断基準とし、その額が更地の時価の半額以下の場合は「不動産所得」、半額を超える場合は「譲渡所得」と分類されることが定められています。

 

なお、半額までが不動産所得で、半額を超えた額が譲渡所得になるのではなく、半額を超えた場合はその全てが譲渡所得として扱われるので注意が必要です。

 

不動産所得と譲渡所得のそれぞれの税率ですが、不動産所得は所得の額に応じた累進課税となるため、所得税と住民税を合わせて最高55.945%まで上がる可能性があります。平均課税制度を用いて課税を安くする方法もありますが、要件が複雑なため適用されるかどうかは状況によって様々です。

 

参考:国税庁HP「No.2260 所得税の税率」

参考:東京都主税局HP「個人住民税・個人住民税Q&A」

 

これに対し、譲渡所得はその所有期間が5年以上になる場合、所得税と住民税を合わせても20.315%の固定額税率です。

 

参考:国税庁HP「No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)」

 

そのため、借地権自体の価格が高い場合には、譲渡所得の方が税率は低くなると考えられています。

 

 

権利金の支払いがない場合

所得税はあくまで個人に利益があった場合に課税される税金です。そのため、借地権を設定した際に地主側が権利金を収受しない場合、相手の借地権者が個人・法人に関わらず地主に対して所得税は課税されません。

 

なお、土地を法人に対して贈与した場合、その土地を時価で売ったものとみなして「譲渡所得」と取扱われ、課税対象となることが定められていますが、この「売ったものとみなされる土地」の中に借地権は含まれていないため課税の対象外となります。

 

借地権を得た借地権者が法人であれば、支払わなかった権利金の分だけ経済的利益の供与を受けたものとして収益に計上し、その分課税されます。また、「相当の地代」を支払うことで権利金の支払がない取引とすることもできます。

 

相当の地代とは次のうちいずれか選択したものになります。

イ.更地としての通常の取引価額・時価×6%

ロ.近傍類地の公示価格・都道府県の基準地の標準価格から合理的に算定した更地価額×6%

ハ.相続税路線価から計算した自用地価額の過去3年間の平均価額×6%

 

※なお、一般的に路線価は公示価格の80%なので、イ≒ロ>ハとなります。

 

借地権を得た借地権者が個人の場合において、権利金の設定がないときや借地権の時価に比べて権利金の額が安価なときは、借地権者はその差額分に対して「贈与税」を課税されます。また、法人税同様、「相当の地代」を支払う場合には贈与税の対象とはならず、権利金の支払がない取引とすることもできます。

 

この「相当の地代」に関して、所得税法上は明確な定めはありませんが、実務的には法人税法にならっておけばよいでしょう。

 

このように、権利金や地代については、支払う税金についても考慮して設定する必要があります。好意のつもりで安い金額を設定しても、結局相手は多額の税金を支払わなければいけなくなることもあるのです。

 

また、借地権の場合は「借地権の登記」を行うことが滅多にないため、個人同士の住宅用の契約などの際は「借地契約が発生した」ということを税務署が把握できないことも考えられます。

 

そのため、どちらがどのような税金を支払う義務があるのかということについて、それぞれがしっかり理解しておく必要があるのです。

 

 

 

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