【事例】借地上の自宅を収益アパートに建替えてもよいか?

借地権者からのご相談

「親の旧法借地権土地と建物を相続しました。自分は既に別の場所で土地付建物を所有しているのでこの相続物件は不要です。出来るなら収益アパートに建替えたいのですが、どうしたらよいですか?」

既に持ち家に住んでいる相続人が親の不動産を相続したものの使い道がないということは増加の一途をたどっているようですね。所有権の土地であれば価格等の条件は別にして、基本的に自分の意思だけで売却することが可能ですが、借地となると自由な処分が出来ない場合も生じてきます。今回のご相談の土地は旧法借地権であり、建物も木造住宅で築後30年を優に超えているので、借地権者としても相続後にどのように利用・処分したらよいか悩まれていました。

方策としては、①借地権者自身で利用する②賃貸物件として第三者に利用してもらう③第三者に譲渡する④地主に買い取ってもらう・・・等が考えられるでしょうか?

整理をすると今回の借地権者の方のご相談は、「既存住宅を解体」して「収益アパート」を「新築」して「第三者に貸す」ということになります。

それでは結論からお伝えしてまいります。

【借地権問題ドットコムの回答】

1.借地法上は建物の建て替えを制限する条文はなく、自由に新しい建物を建築できます。

2.「建て替え」や「増改築禁止」の特約があれば地主の承諾を得なければなりません。「用途」も明記されていれば地主の用途変更承諾が必要です。土地賃貸借契約書を確認しましょう。

3.地主との良好な関係を続けるためにも法的に必要がなくても変更事項は報告して承諾を得るようにしましょう。

 

借地権問題ドットコムでは、上記のように回答させていただきました。

以下、各項目に補足する形で説明してまいります。

 

解説「1. 借地法上は建物の建て替えを制限する条文はなく、自由に新しい建物を建築できます。」

基本的に建て替えに際しては、借地人は地主の承諾を得る必要がありません。また、建替えについて地主が遅滞なく異議を述べなかった場合には、堅固な建物の場合には30年、非堅固な建物の場合でも20年、借地期間が延長されます(借地法第7条)。

しかしながら、自宅と収益アパートとは土地の用法としては全く違いますから、この件についてはきちんと地主の許可を得なければなりません。

 

解説「2. 「建て替え」や「増改築禁止」の特約があれば地主の承諾を得なければなりません。「用途」も明記されていれば変更承諾が必要です。土地賃貸借契約書を確認しましょう。」

土地賃貸借契約書を確認してみましょう。建物の構造(木造・鉄骨造・RC造・・・)や用途(住居・店舗・賃貸建物・・・)が記載されていたり、増改築禁止の特約が規定されていたりしませんか?その内容と違う建物を建てようとしたりする場合には、協議の上、地主の許可を受けなければなりませんね。このときに「地主に承諾料を支払う」という規定があるかもしれません。なくとも協議の中で承諾料支払いが条件に挙がるかもしれません。

木造⇒RC造、住居⇒賃貸建物の変更は、あきらかに地主の承諾を得なければなりません。

どうしてもこれらの承諾を地主から得られない場合には「地主の承諾に代わる裁判所の許可」を得ることになりますが、決して好ましいことではありませんね。

解説「3. 地主との良好な関係を続けるためにも、法的に必要がなくても変更になる事項は事前に報告して承諾を得るようにしましょう。」

地主との土地賃貸借契約は数十年にわたる非常に期間の長い契約です。日頃からしっかりとコミュニケーションをとって、円満な関係を保ちましょう。

実務的にも借地人の建物建築の際、金融機関融資を利用しようとすると、金融機関から「土地上の建物に抵当権をつけることについての地主の承諾書」の提出を求められると思います。地主との関係が悪いとこの承諾を得られず、その結果、借地人が融資を利用できないという事態になったりしますので、極力良い関係を保ちましょう。

 

なお、冒頭で、相続した不動産の処分について、「④地主に買い取ってもらう」と書きましたが、地域によって借地権売買が一般的なところとそうでないところがあります。借地権売買が一般的でない地域では、単純に地主から「貸した土地が要らないなら返してよ・・・。」ということで終わってしまうでしょう。

地域によって商慣習も違いますし、地理的に近い場所であっても事案によって少しずつ条件が違ったりして、正解は一つということの方が少ないと思います。ケースバイケースといえますので、ご遠慮なく相談ください。

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