【事例】契約面積と実測面積に違いがあった場合

 

地主からのご相談

「最近測量を実施した結果、貸地の契約面積と実測面積の間に差異が生じた。借地権者が実測面積に納得しないがどうすればいいか。」

 

このようなご相談が来た背景を説明します。

 

この地主の貸地は、登記簿上は一筆の土地になりますが、お二人の借地権者(借地権者Aと借地権者B)がそれぞれ借地上に建物を所有していました。

 

以前より、相談者である地主は、当該貸地を処分したいと考えており、不動産業者へ底地の売却を依頼しました。それを受けて、不動産業者は借地権者Aと借地権者Bに対して、この底地の購入を打診をしました。

 

借地権者Aは、購入希望金額と地主の売却希望金額が折り合わず、購入しないという結論になりました。一方借地権者Bは、地主の提示した金額で購入することにして、売買契約の準備を待つことになりました。

 

問題となったのは、借地権者Aと借地権者Bの借地は登記簿上は一筆の土地となっており、賃貸借契約書には契約面積の記載はありましたが、その範囲を記す具体的な記述がありませんでした。

 

そこで、Bの底地を売買をするにあたり、確定測量をしてから分筆をする必要が出てきました。地主はすぐにこの土地の確定測量を測量士に依頼し、隣地所有者立会いのもと境界確認が行われました。

 

無事に隣地の協力を得ることができ、測量と境界確認を実施することができたのは良かったですが、土地をAとBの分割する線の案に対してAが納得せず、分筆できず売買契約がストップしてしまいました。

 

現地を確認すると、AとBの借地の境界には境界標となる杭が埋め込まれていて、疑問の余地はあまりないように見受けられます。

 

Aは契約書上に記載をされた契約面積を引き合いに出し、現況の境界標の通りに測量をすると、実際の借地面積が契約面積よりも少しだけ小さくなってしまうと主張しました。

 

また、少なくなる借地の面積分は、お隣のBの借地面積を削って調整をかけてほしいと地主に主張しました。

 

しかしながら、当然Bも借地面積が減ることについては面白くありません。それも、地主から借地を購入することで合意をした後ですから尚更です。

 

Aの底地もBの底地もどちらも地主の所有物ですから、どこで分筆をするかは地主の自由です。ですが、地主はAとの間で賃貸借契約を締結している都合、その内容によっては契約違反となるリスクが出てくる可能性に配慮し、どういった対処がいいのか、ご相談にいらっしゃいました。

 

事実を整理すべく箇条書きにまとめます。

 

 

1.土地の測量をした結果、借地権者Aの契約面積と実測面積の差異が出た

2.その差異は、面積にして1平方メートル弱。割合にして、誤差は1%未満

3.借地権者Aは、契約面積通りの借地を要求(境界標をずらして借地を広げたい)

4.借地権者Bは、境界標通りで分割して購入したい

5.地主と借地権者Aで折り合いが付かず、双方代理人として弁護士に依頼

6.代理人同士で話し合いをし、借地権者Aが譲歩する形で決着

 

 

 

【上記に対する、地主とその代理人(弁護士)の見解】

 

(1と2について)

地主代理人である弁護士は見解として、「当該土地賃貸借契約書は30年以上前のものであり(原契約は更に以前)、測量技術の発達によって多少の誤差が生じるのはやむを得ない」こと、また「今回の面積差異は十分に誤差の範囲である」ことを借地権者Aにお伝えしました。

 

(3について)

またこの問題は、あくまで借地権者Aと地主との間の土地賃貸借契約の問題であり、借地権者Bの底地について言及することはできないと地主代理人の弁護士は見解をお伝えしました。

 

(4について)

地主は代理人による前述の見解を受け、現在の境界標の位置で土地の分筆を行うという方針で進めることを決めました。

 

(5について)

当初、地主と借地権者Aは書面でやりとりをしていましたが、双方が納得する結論が出ませんでした。その後Aは弁護士に依頼をし、弁護士を通じて地主に交渉をすることにしたため、地主もまた弁護士を代理人に立てることにしました。地主の弁護士は、借地権の問題を得意とする弁護士を当方からご紹介をさせていただきました。

 

(6について)

借地権者Aも弁護士を代理人に交渉をすることになりましたが、弁護士同士で書面のやりとりをした結果、多少の条件はありましたが、Aが譲歩することになり三ヶ月ほどで決着しました。

 

地主は、弁護士に依頼することによって問題点が明確になり、頭が整理されたと結果に満足されていました。

 

以上が、今回のご相談の経緯とその顛末でした。

 

 

ご相談内容をお伺いするに、借地権者Aはご高齢の方で相当意地になっていたように見受けられました。当方から見てもAの主張には無理があり、また相手の話を聞く余地がない状況に地主も困惑していました。また地主は、余計な費用負担を強いられたことと先方の意固地な態度に、借地権者Aに対する心証を悪くされたようでした。

 

今回のように、相手が弁護士を立ててきた場合や当事者同士で進めることが難しくなった場合は、弁護士に間に入ってもらうと解決が早まることも考えられますので、意義があるのではないでしょうか。

 

以上が、契約面積と実測面積に差異があり問題になったケースのご紹介でした。

参考になれば幸いです。

 

 

 

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